国家補助ルールの一時緩和、21年6月末まで延長へ

欧州委員会は2日、欧州連合(EU)の国家補助に関するルールを一時的に緩和する措置の延長を加盟国に提案した。同措置は新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた企業を支えるため3月に決まったもので、2020年12月31日が期限となっていたが、加盟国の承認を経て21年6月末まで延長する方針だ。

EUの国家補助規定では、企業に対する補助金交付など公的支援を厳しく制限している。しかし、コロナ禍で企業が厳しい状況に直面していることから、欧州委は3月にルールの緩和を決定。賃金補助や法人税、付加価値税(VAT)、社会保険料の納付期限の延長など、加盟国が思い切った対策を取れるようにした。

欧州委は当面は同措置で企業を下支えする必要があると判断し、適用期限の半年間延長を提案。同時に支援策を拡大し、売り上げが急減して苦境にある企業の固定費を各国政府が補填できるようにするという案も提示した。

ベステアー委員(競争政策担当)によると、国家補助既定の弾力的な運用により、EU全体で過去7カ月間に約3兆ユーロ(約370兆円)規模の企業支援が可能になったという。

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