英とカナダが貿易協定暫定継続で合意、来年以降も現状維持に

英国とカナダは21日、カナダが欧州連合(EU)と締結している包括的経済貿易協定(CETA)を2021年以降も英国に暫定的に適用する協定で合意した。これによって英国は、EU離脱の移行期間が終了する1月1日以降もカナダと現行の条件で貿易を続けることが可能となった。

EUとカナダの間では、17年から包括的経済貿易協定(CETA)が暫定発効しており、約約98%の品目で関税が撤廃されている。1月にEUを離脱した英国は、同協定の対象外となるため、移行期間内にカナダと新たな協定を結ばなければ対象品目で関税が復活することになっていた。

今回の合意によって、英国とカナダの通商は現状維持となる。来年から2国間の正式な新貿易協定の締結に向けた交渉に入る。

AP通信によると、英国はカナダにとってEUを除くと8番目の貿易相手国。年間の貿易は総額200億ポンド(約2兆8,000億円)を超える。

英国はEU離脱を受けて、これまでに日本、韓国、ノルウェーなど52カ国と何らかの貿易協定を結んでいた。カナダとの合意によって53カ国に増えるが、これらの国との2019年の貿易総額は1,640億ポンドと、全体の12%にとどまっており、主要貿易相手であるEU、米国との新協定締結が急務となっている。

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