ホンダの英スウィンドン工場で部品供給が滞り、生産を一時停止する事態となった。同社の関係者が9日、dpa通信の取材に対し明らかにした。同関係者は、「状況を見ている。出来るだけ早く生産を再開したい」とコメントしている。
部品供給の停滞は、英国の港の物流が増え、処理能力がひっ迫しているため。英国の欧州連合(EU)離脱による移行期間の終了が迫り、多くの企業が在庫の積み増しに動いているほか、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、防護服などの貨物が到着しており、物流量が急増している。BBCによると、フェリクストウ港のコンテナターミナルでは船舶が積み荷を陸揚げすることができず、オランダのロッテルダム港へ迂回したという。
英国は1月末にEUを離脱したが、12月31日までは「移行期間」となるため、貿易など双方の関係はほとんど変わらない。しかし、移行期間中に自由貿易協定(FTA)を締結しなければ、1月から関税、国境での通関手続きが復活し、双方の経済に悪影響が出る。