米自動車部品大手のボルグワーナーは15日、独リチウムイオン電池システムメーカーのAKASOLを買収すると発表した。AKASOLの株式1株あたり120ユーロを提示している。これは過去3カ月の終値の平均に約23%のプレミアムを上乗せした水準。AKASOL の全株式を合計すると買収金額は約7億3,000万ユーロとなる。
AKASOLは、ダルムシュタットに本社を置く。従業員数は約330人。ドイツに3拠点、米国に1拠点を持つ。バスや鉄道、産業用車両、トラック、船舶向けのリチウムイオンバッテリーシステムを製造しており、スウェーデン商用車大手のボルボや独自動車大手のダイムラー、仏鉄道設備大手のアルストムなどを顧客に持つ。
AKASOLの創業者であり最大株主であるスヴェン・シュルツ最高経営責任者(CEO)を含む一部の株主がすでに買収提案に応じており、ボルグワーナーはすでにAKASOLの株式の約59%を確保している。
ボルグワーナーは、世界24カ国で事業を展開しており、従業員4万8,000人を抱えている。事業の電動化を進めており、AKASOLの買収により、今後の成長が見込まれる商用車およびオフハイウェイ車両向けのバッテリーシステム事業を大幅に強化できると見込んでいる。
AKASOLはボルグワーナーによる買収により、新しい顧客にアクセスできるほか、資金面で今後の事業拡大が容易になる。