英高級車メーカーのジャガー・ランドローバー(JLR)は16日、パナソニックの空気清浄技術「ナノイーX」を採用した冷暖房空調システム(HVAC)の試作品の浄化性能についてのテスト結果を発表した。実験室での測定によると、空気中を浮遊するウイルスや雑菌を最大97%除去することができたという。
今回の試験では英微生物・ウイルス研究所Perfectus Biomed Ltdと協力し、車の空調システムを内気循環モードで30分間作動させて測定した。ナノイーXはすでに仏研究機関Texcellにより、新型コロナウイルスに対して99.99%の有効性が確認されている。
ナノイーは周囲の物質から水素を奪う性質を持つOHラジカルを利用する。このOHラジカルがウイルスや菌、微粒子に付着して水素を抜き取り、無活性化することで、空気の浄化に効果を発揮する。最新のナノイーXはOHラジカルの濃度が高く、従来のナノイーに比べ10倍以上の効果があるとされる。
JLRは現在、ナノイーテクノロジーとPM2.5フィルターを搭載したジャガー「Iペース」やランドローバー「ディスカバリー」、レンジローバー「イヴォーク」を販売している。今後はナノイーXを全モデルに導入していく方針だ。