独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)・グループはこのほど、工場で外部から調達する再生可能エネルギー電力の割合が大幅に上昇したと発表した。欧州連合(EU)域内の工場では、2020年の外部調達電力のうち再生可能エネルギーの割合が95%となり、前年の80%から大きく上昇した。その他の世界の生産拠点(中国を除く)でも、同割合が91%(前年:76%)に拡大している。
今後に向けては、2023年までにEU域内のすべての工場で、同割合で100%の達成を目指す。また、世界のすべての生産拠点(中国を除く)では、2030年までに当該目標の達成を目指す。
2020年は、EU内では8工場、EU域外では2工場で、外部から調達する電力が100%再生可能エネルギーとなった。また、世界全体のVWグループの製造拠点のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合は46%となり、前年に比べ5パーセントポイント拡大した。これにより、VWグループの生産工程における二酸化炭素(CO2)排出量は、前年に比べ14%減少している。
今後に向けては、ドイツのヴォルフスブルク本社工場の石炭発電を2022年までに天然ガスに置き換えるなど、自家発電におけるCO2削減も進める意向を示している。また、中国については、石炭発電の割合が高いほか、電力市場規制の関係などから、再生可能エネルギーの調達率の拡大が難しい面があるものの、現地の提携先と協力し、独自の目標設定に取り組んでいるという。