英高級車メーカーのジャガーランドローバー(JLR)は12日、ベンチャーキャピタル(VC)子会社の「インモーション」を通して米バッテリーリサイクル企業のバッテリー・リソーサーズに資本参加したと発表した。同社は廃バッテリーから取り出した材料を再生し、新しいバッテリーの材料として活用する技術を持つ。JLRはバッテリーのサプライチェーンに同社の技術を活用することで持続可能なソリューションを開発していく。 バッテリー・リソーサーズは、リチウムイオン電池に含まれる陰極(カソード)材料のニッケルマンガンコバルト酸化物(NMC)、ニッケルコバルトアルミニウム(NCA)、リン酸鉄リチウム(LFP)などをリサイクルして再生産する技術を確立している。また、陽極(アノード)材料のグラファイトを回収・精製する技術も持つ。これら陰極・陽極両方の材料を再びバッテリーメーカーに提供することで、バッテリーサプライチェーンの循環システムが完結する。
今回の出資は2,000万ドルの投資ラウンド(資金調達)の一環となる。バッテリー・リソーサーズは調達した資金を米ミシガン州にある研究施設の強化と、年間1万トンの処理能力を持つ施設の建設に振り向ける。
JLRは2039年までに、サプライチェーン、製品および事業全体でカーボンニュートラル(実質ゼロの排出量)を達成する目標を掲げている。