スイスの自動車部品大手オートニウムは2日、ベルギーのソフトウエア開発企業フリーフィールドテクノロジー(FFT)と電気駆動車の車室内の音響設計ソリューション開発で協力すると発表した。自動車メーカーに対し、電動車に特有の音振(NVH)の予測・最適化ツールを提供することで、新モデル開発の迅速化を支援する。
電動車は多くの場合、搭載する電気モーターが不快な高周波ノイズを発生させるほか、従来型の内燃エンジン車に比べて走行音や風切り音が目立つ特徴がある。一方、電動車の需要拡大を受けて開発サイクルは世界中で速まっており、適切で効率的な音響設計のソリューションが求められている。
両社の提携では、オートニウムの持つ音響シミュレーションのノウハウをFFTのモデリング(立体化)ソフトウエア「Actran」に統合することで、電動車の開発においてNVHの発生と吸音材の性能を踏まえた音響予測と対策が可能なソリューションを提供する。これにより、自動車メーカーは生産に不可欠な関連データに容易にアクセスできるようになるほか、開発の早い段階で車両の性能や特性を正確に予測し、設計から市場投入までの時間を大幅に短縮できるようになる。
両社はまた、開発したソリューションがNVHの解析や最適化に必要なコンピューター支援エンジニアリング(CAE)の業界標準になることを目指している。
新開発した「Actran」ソフトは10月開催の「HxGN LIVE Design & Engineering 」のバーチャル会議で発表される。