独フォルクスワーゲン・グループ(VW)傘下の高級スポーツカーメーカーであるポルシェは5日、クロアチアの電気自動車メーカー、リマックと合弁会社の設立について合意したと発表した。VW傘下の老舗ブランドであるブガッティと共にハイパーカー(スーパーカーよりもさらに高額な高性能なスポーツカー)を製造する新会社「ブガッティ・リマック」を設立する。
新会社の本社は、クロアチアのザグレブに置く。複数国のカルテル当局の認可を得て、2021年第4四半期に設立となる見通し。出資比率はリマックが55%、ポルシェは45%とする。なお、ポルシェはリマックに24%を出資している。リマックは、2009年の設立で、ポルシェは2018年にリマックに初めて資本参加した後、出資比率を段階的に引き上げてきた。
ブガッティは、伝統のあるブランド力や顧客基盤、世界の販売網などを合弁会社に統合する。リマックは、技術面に加え、開発や組織面で新しいアプローチをもたらすことができる。
新合弁では当初、ブガッティ「シロン」とリマック「ネヴェーラ」のハイパーカー2モデルを生産する計画。現行のブガッティ・オートモビルズは、合弁会社の傘下で引き続き存続し、フランスのモルスアイム工場では今後もブガッティのすべてのモデルの生産を続ける。将来的には、リマックと共同開発したモデルが生産に加わる予定。
新会社の社長には、リマックの創業者であるマテ・リマック最高経営責任者(CEO)が就任する。また、ポルシェのオリバー・ブルーメ社長とルッツ・メシュケ副社長(財務・IT担当取締役)は、監査役のメンバーとなる。設立当初の従業員数は約430人となる予定。うち、ザグレブに約300人、ブガッティのモルスアイムの拠点に約130人を配置する。