スウェーデン乗用車大手のボルボ・カーズは8日、親会社である中国の浙江吉利控股集団(Geely Holding)とパワートレイン事業の合弁会社Aurobayの設立について合意したと発表した。両社はすでに、当該計画について発表していた。新会社は、ボルボ・カーズや浙江吉利控股集団傘下の自動車ブランドに、内燃エンジン、トランスミッション、ハイブリッドシステムを供給するほか、外部の自動車メーカーへも販売し、世界市場でパワートレイン事業を展開していく。
新会社は当初、ボルボ・カーズと浙江吉利控股集団が共同出資とする。ボルボ・カーズは、100%子会社であるパワートレイン・エンジニアリング・スウェーデンのすべての資産をAurobayに移管する。具体的には、スウェーデンのシェブデにあるエンジン工場や研究開発チーム、中国のエンジン工場などを新会社に統合する。
エンジン事業の分離により、ボルボ・カーズは今後、電気自動車の開発に注力する。同社は、2025年までに世界販売の50%を純粋な電気自動車とし、残りの50%をハイブリッド車とする目標を掲げており、ハイブリッド車にはAurobayがパワートレインを供給する計画。2030年までには、すべての販売車両を純粋な電気自動車とする計画。
浙江吉利控股集団は、新会社の設立により、研究開発力を強化し、技術的に高度で効率的な内燃エンジンやハイブリッドシステムをグループブランドに供給することができる。また、事業・財務面の相乗効果により経営基盤を強化することができる。