中国のバッテリー・自動車メーカーである比亜迪汽車(BYD)は10日、フィンランドのヘルシンキ市交通局(HSL)に電気バス「eBus」を76台納入したと発表した。北欧のバス運行最大手ノビナ(Nobina)が同国向けに発注した119台のうちの2弾で、他の43台はすでに6月にトゥルク市に納入されている。
今回納車したeBusシリーズの内訳は、全長12メートル(定員72人)のスタンダードモデルが23台、13メートルのモデルが8台、18メートルの連節モデル(定員112人)が44台と、最新の15メートルモデル(定員90人)が1台となっている。
18メートルの連節モデルはパンタグラフ方式で充電し、充電出力は300キロワットとなる。15メートルモデルはバッテリーの正極材にリン酸鉄を使い、1回の充電で約400キロメートルを走行できる。全ての車両にBYD独自の熱管理システムを搭載し、フィンランドの寒冷な気候下でもバッテリー寿命の最大化と航続距離の最適化を図っている。
BYDは2015年からスカンジナビア諸国に事業進出。これまでにスウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドの20を超える自治体から600台以上を受注している。稼働している車両の総走行距離は2,500万キロに達しており、二酸化炭素(CO2)約2万7,000トンの削減に寄与している。