フォードと英物流大手ヘルメス、車のトランクへの配達サービスで協力

米自動車大手のフォードは9月30日、英物流大手のヘルメスと協力し、オンラインで注文した商品を発注者の乗用車に配達する新たなサービス「セキュアデリバリー・トゥー・ビークル(SecureDelivery to Vehicle)」の実証試験事業を開始したと発表した。発注者の自宅住所に置かれている車のトランクに商品を直接配達するもので、対面での受け渡しが不要なほか、留守宅への配達などの問題解消を狙う。現在は国内の一部でのみ実施しているが、今後は他の地域にも拡大していく予定。将来的に、職場など自宅以外の場所にある車への配達や、車を介した返品サービスなども実現していく方針だ。

サービス利用者は、ネット通販での注文時に配達方法として「車への配達」を選び、車のある場所を入力する。宅配ドライバーは目的地から半径300メートル以内まで来ると、アプリに目的の車の正確な位置が表示される。さらに50メートル以内の範囲で、配達する荷物のバーコードをスキャンして1回限り有効の車の解錠コード(トークン)を作成し、トランクルームを開けて納品する仕組みだ。該当車が見つからない場合や、大き過ぎてトランクに収まらないときは利用者の自宅宛てに配達する。サービス利用者はフォードのサービスアプリ「フォード・パス」を通じて受け取り用車両のリモート施錠・解除機能をオンにしておき、配達業者に車両アクセスの許可を与える必要がある。

両社はこのほか、徒歩による配達業務の効率化に向けたソフトウエアの開発や、自動運転車を使った宅配サービスなどの研究プロジェクトでも協力している。

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