独電機大手のシーメンスは2021年9月23日、中国の民間エネルギー会社GCLグループ(Golden Concord Holdings Limited)と水素生成に関する戦略提携についての合意書を締結したと発表した。再生可能エネルギー由来の水素を生成するためのデジタル・スーパー・ファクトリーの建設などで協力する。今回の提携は、中国政府が取り組むエネルギー構造の調整や再生可能エネルギーの利用促進に寄与し、炭素中立(カーボンニュートラル)の目標達成やゼロカーボン社会の構築を後押しするものとなる。
今回の合意は、◇スーパーファクトリーの建設◇技術的な研究開発(R&D)◇デジタル人材の育成――の3分野に注力する。
スーパーファクトリーの建設では、メガワットレベルの水素生成施設を建設する計画で、電気分解装置やシステム、燃料電池などの製造・導入で協力する。同施設には、産業用インターネットやデジタル技術を活用するシーメンスの「インダストリー4.0」のコンセプトを導入し、中国におけるインテリジェントな水素生成施設のベンチマークを目指す。
技術的な研究開発(R&D)においては、パワーエレクトロニクスシステム、水素生成の材料や技術、高度な制御システムを共同で開発するほか、中国における関連分野の研究プロジェクトに参加する。
デジタル人材の育成では、デジタル時代におけるGCLグループの開発コンセプトおよびデジタル管理能力を向上させるため、精華大学とシーメンスがこのほど共同で立ち上げた教育プログラム「精華・シーメンス・デジタルトランスフォーメーション・リーダーシップ・プログラム」を通して緊密に協力していく。