ユミコアとACC、EVバッテリー用カソードの長期供給契約を締結

ベルギーの非鉄金属大手ユミコアは4月27日、仏オートモーティブ・セルズ・カンパニー(ACC)と電気自動車(EV)用バッテリーのカソード材料の長期供給契約を締結したと発表した。ユミコアがポーランド南西部のニサに持つ生産施設から、ACCが将来的に稼働を予定する欧州のギガファクトリーに高ニッケルカソード(LNO)を供給する。契約により、ACCは高品質のカソード材料の調達先を確保し、ユミコアは同材料の安定供給を通じてEVのサプライチェーンにおける地位を強化する。

契約ではまず、欧州の自動車メーカーが2024年初めに量産開始を予定するプラットフォーム向けにLNOを供給する。年間供給量は当初13ギガワット時(GWh)相当で、30年までにEVおよそ50万台分に相当する46GWhまで引き上げる。

両社は今年2月、ACCのフランスのパイロット工場にユミコアのLIBの最先端リサイクル技術を導入する契約を結んでおり、今回の契約はこれを補完するものとなる。

ACCは欧州自動車大手のステランティスと仏エネルギー大手のトタルエナジーズによる合弁会社。同社はすでにフランスとドイツにギガファクトリーを建設中で、今後イタリアでも着工することを計画している。

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