新型コロナは「新たな局面」に、欧州委が加盟国に持続可能な管理体制整備を要請

欧州委員会は4月27日、新型コロナウイルス感染症の流行状況について、欧州連合(EU)域内では既に危機的状況は脱したとして、緊急対応からより持続可能な管理体制に移行すべき段階に入ったとの認識を示した。ただ、世界的にみれば感染拡大は続いており、新たな変異ウイルスの出現などによって事態が急速に悪化する恐れもあるため、引き続き警戒が必要と指摘。加盟国に対し、秋以降に向けて引き続き協調的な対応を取るよう要請した。

欧州疾病対策センター(ECDC)によると、EU加盟国を中心とする欧州30カ国の新規感染者数は4月22時点で約26万人と、今年初めと比べて6分の1程度に減少した。感染者数は一部の地域で高止まりしているものの、EU域内でワクチンを接種した人の割合は70%を超え、3回目まで接種を終えた人も人口の約半分に達した。このため感染拡大が重症化や死亡の増加にはつながっておらず、ほとんどの地域で医療提供体制のひっ迫はみられない。

欧州委はこうした現状を踏まえ◇ワクチン接種の推進と秋以降に向けた新たな追加接種の計画策定◇新たな感染拡大に備えた検査と追跡体制の整備◇新たな変異ウイルスを早期に検出するためのシークエンス解析などの拡充◇新型コロナと季節性インフルエンザの流行に備えた医療体制の強化――などを協調して進めるよう加盟国に要請した。

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