独フォルクスワーゲン(VW)傘下のスウェーデン商用車大手スカニアは12日、トラック向けのバイオガス燃料のソリューションを拡充すると発表した。同燃料で走るトラックは従来のディーゼルトラックと同等の性能を持ち、環境負荷も低いことから世界的に関心が高まっている。スカニアは航続距離を伸ばすためにタンク容量を増やすなどして需要の取り込みを狙う。
同社が新たに追加したソリューションには、◇最大航続距離1,400キロを確保する液化ガス(LBG)タンク◇同750キロの圧縮ガス(CBG)タンク◇キャブの後ろに設置して既存のタンクと組み合わせるCBGタンク。ホイールベースが3,900ミリ以上のサイズのトレーラーの場合、航続距離が1,000キロに延びる◇タンクの前にスペースを設けることで特殊な車両設計を可能にするLBGタンク◇組み合わせ可能な80リットルCBGタンク――などがある。これらはすべて年内に市場投入される予定。
スカニアによると、バイオメタン燃料は、原油の採掘段階まで遡り車両の二酸化炭素(CO2)排出量を評価するウェル・トゥ・ホイール(Well to Wheel)の観点からCO2を最大90%削減できる。ガス燃料自動車の需要は欧州でも特にスペイン、イタリア、フランス、ドイツ、中東欧で高く、燃料の充填インフラは該当車両の普及に十分な規模(「クリティカル・マス)に達しているという。