英新興バッテリーセルメーカーのブリティッシュボルトは6月30日、韓国鉄鋼大手ポスコ傘下のポスコケミカルと、バッテリー素材の安定供給を確保するための覚書(MoU)を交わした。ブリティッシュボルトが予定する電池セルの量産に向けカソード材とアノード材を調達するのが狙い。MoUには材料試験や生産の現地化、および長期提携を前提にしたバッテリー素材の共同開発計画も盛り込んだ。
低炭素で持続可能なバッテリー生産を目指すブリティッシュボルトにとり、素材の安定供給は重要な意味を持つ。自前の鉱山や処理施設を持つポスコグループの垂直統合的な戦略は同社の方針と完全に一致しており、バッテリーセクター全体における一貫したサプライチェーンの構築が可能になる。
ブリティッシュボルトはイングランド北東部のノーサンバーランド州ブライスに建設しているギガファクトリーで電池セルの量産を計画しており、十分な量の材料確保を進めている。5月にはブルガリアのバッテリー大手モンバットと、独子会社EASバッテリーズの買収で合意したと発表した。