船舶向けの燃料電池システムなどを開発するノルウェーのTECO 2030は2022年12月15日、大型(大きな出力が必要な用途)および海洋用途向けに開発・設計した最初の燃料電池スタックを完成させたと明らかにした。この披露式典は、開発パートナーであるオーストリアのエンジニアリング会社エイヴィエルリスト(AVL List、以下AVL)がカナダのバンクーバーに持つプロトン交換膜(PEM)燃料電池スタックの研究拠点で行われた。
TECO 2030が開発した燃料電池スタックは定格出力100kWで、周辺機器(BoP:balance of plant)と組み合わせて燃料電池モジュールとなる。TECO 2030は、2023年夏にオーストリアのグラーツにあるAVLの拠点で最初の燃料電池モジュール「FCM400(Fuel Cell Module 400kW)」を組み立て・試験する計画。
複数のモジュールを組み合わせることにより、メガワット規模の出力持つ燃料電池システムを、船舶、補助電源、その他の大きな出力が必要な用途向けに供給することができる。
TECO 2030は今後、段階的に生産を増やし、2023年中に船舶、トラック、建設現場向けなどの多数のパイロットプロジェクトに燃料電池システムを供給する予定。2024年初めにはノルウェーのナルヴィク工場で量産を開始する計画。