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2010/1/29

総合 – 自動車産業ニュース

EUが官民一体で電気自動車の開発推進、新経済戦略の柱に

この記事の要約

スペインのサパテロ首相は20日、欧州議会でEU議長国としての所信表明を行い、EUが一体となって電気自動車の開発を推進する構想を明らかにした。域内共通の規制の枠組みや技術基準の策定を進めて投資環境を整え、日本や中国などに対 […]

スペインのサパテロ首相は20日、欧州議会でEU議長国としての所信表明を行い、EUが一体となって電気自動車の開発を推進する構想を明らかにした。域内共通の規制の枠組みや技術基準の策定を進めて投資環境を整え、日本や中国などに対抗して電気自動車の開発を加速させる。同首相は2月7-9日にスペインで開く非公式のEU産業相理事会で加盟国の合意を取りつけたい考えだ。

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電気自動車の開発促進計画は2020年までの新経済戦略の柱の1つとして打ち出された。サパテロ首相は「EU各国で進められている開発の取り組みを一体化させる必要がある」と強調。中国や日本はすでに電気自動車の開発を加速させていると指摘し、「域内共通の規制の枠組み、投資奨励策、技術基準などを整備しなければ、電気自動車の開発競争でEUが主導権を握ることは難しい」と語った。EU域内では仏PSAプジョー・シトロエンが今秋から、ルノーは来年から電気自動車の量産を開始する計画を打ち出している。

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一方、サパテロ首相は2020年までの経済戦略について、電気自動車の開発推進計画以外に◇エネルギー輸入依存度の低減◇デジタル・環境関連技術の開発促進◇教育・研究の充実――などを柱に掲げた。2月11日の非公式首脳会議で新戦略について協議し、6月までに正式決定したい考え。首相はそのうえで、2010年までに世界で最も競争力のあるダイナミックな知識集約型の経済の構築を目指した「リスボン戦略」が十分な成果を上げることができなかった反省から、新戦略では拘束力のある目標を設定すべきだと指摘。「戦略を機能させるには制裁が必要だ」と強調し、「拘束力を持たない現在のメカニズムが維持された場合、経済戦略は再び失敗に終わることになる」と警告した。

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