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2010/4/9

総合 – 自動車産業ニュース

仏の炭素税導入、政府が断念

この記事の要約

フランスのサルコジ大統領は3月23日、今年7月の実施を目指してきた炭素税の導入を見送る方針を表明した。与党国民運動連合(UMP)の会合で明らかにしたもの。フィヨン首相も炭素税はEUとして加盟国が一致して採用すべきものであ […]

フランスのサルコジ大統領は3月23日、今年7月の実施を目指してきた炭素税の導入を見送る方針を表明した。与党国民運動連合(UMP)の会合で明らかにしたもの。フィヨン首相も炭素税はEUとして加盟国が一致して採用すべきものであり、単独での導入はフランスの競争力に悪影響を与えるとの見解を示した。

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政権の環境政策の目玉としてきた炭素税の導入を断念したのは、21日に行われた地方選挙での与党大敗が引き金になったものとみられる。最近の世論調査でも、国民の3分の2は炭素税に反対していた。ガソリン価格が1リットル当たり4.5セント、各世帯のガス料金も7%値上がりすると見込まれ、一般の消費者に負担が大きく不平等だとの批判もあった。企業系ロビー団体もすでに、実施見送りを歓迎する意向を表明している。

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政府は国内の情勢を踏まえ、国民に新たな負担を強いる政策は避けるのが賢明と判断したもようだが、年間15億ユーロに上ると見込んでいた炭素税からの税収が期待できなくなったことで、財政赤字は拡大が進み、2010年はGDPの8.2%に達するとみられる。

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一方、サルコジ大統領は26日に行われたEU首脳会談の終了後、報道陣に対して、欧州委員会が6月にもEU全域での炭素税導入に関して提案を行うことになるだろうと発言した。ただ、各国首脳の間では炭素税に対して懐疑的な意見も多く、中国やインドなどに温暖化対策の強化を促すだけの効果が期待できなければ、交渉戦術として有効ではないと指摘されている。現時点では、導入に関して数カ月内に合意がなされる可能性は低いとの見方が大勢だ。

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