伊フィアットのセルジオ・マルキオンネ最高経営責任者(CEO)はこのほど、イタリア工場の生産改革案に労働組合が同意しない場合、国外に生産を移管する可能性があると示唆した。
\マルキオンネCEOが昨年12月に発表した生産改革案「ファブリカ・イタリア」は、2014年までにイタリアでの生産規模を09年の65万台から2倍以上の年140万台に引き上げることを目標に掲げ、シフトの増加など生産体制の強化策を盛り込んでいるが、労組の反発が大きく同意は得られていない。同CEOは、10月21日に行ったアナリストとの懇談会で、「西欧市場向け製品の生産拠点は確実に確保しなければならず、我が社には(イタリア以外の)他の工場もある」と語り、労組の対応によっては、国外への生産移管もありうるとの考えを示した。
\マルキオンネCEOは、具体的な移転先については言及していないが、1日付の『オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ』紙が、消息筋の話として伝えたところによると、ポーランドのティヒ工場の生産台数を09年実績の60万6,000台から78万台に、セルビアのクラグィエバツ工場の生産台数を同20万台から40万台にそれぞれ引き上げるほか、ランチア/クライスラーのコンパクトセダンと、アルファロメオ「159」の後継車「ジュリア」の生産を米国のクライスラー工場に移管することを検討しているもようだ。
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