伊フィアットのセルジオ・マルキオンネ最高経営責任者(CEO)は11月26日、資本提携する米クライスラーとトリノ近郊のミラフィオーリ工場で共同生産を行う計画を明らかにした。車台の共通化などによりコスト競争力を高めるのが狙い。
\両社は新たに設立する合弁会社を通じてミラフィオーリ工場に10億ユーロを投資。共通の新型車台を使用して、クライスラーの「ジープ」とフィアット傘下の「アルファロメオ」の両ブランドを生産する。生産規模は年間25万~28万台で、製品の半数以上は北米などに輸出する。なお、この新型車台はアルファロメオの「ジュリエッタ」向けの車台をベースにクライスラーが開発したもので、今後両社のC/Dセグメントの乗用車やSUVに採用されるという。
\フィアットが昨年12月に発表した生産改革案「ファブリカ・イタリア」は、2014年までにイタリアでの生産規模を年140万台と09年の65万台の2倍以上に引き上げることを目標に掲げ、シフトの増加など生産体制の強化策を盛り込んでいる。マルキオンネCEOは記者団に対し、「イタリア国内の状況は厳しい」と述べ、同国の産業ネットワークは効率性に欠け、国際的な競争に対応できないと指摘するとともに、「ミラフィオーリ工場に求めているのは、さらに柔軟性の高い生産能力だ」と語り、同工場の従業員に対し、生産性を向上させるための工場運営への理解と協力を求めた。
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