独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は中国市場向けのブランドを立ち上げることを検討している。主に地方での販売を想定したもので、8,000ユーロ以下の低価格の小型車を販売する方針という。同社の中国事業を統括するカールトーマス・ノイマン氏が独経済紙『ハンデルスブラット』(19日発行)に明らかにした。
\VWは中国で現地自動車メーカーの中国第一汽車(FAW)および上海汽車(SAIC)とそれぞれ合弁会社を運営している。ノイマン氏によると、新ブランドはFAWまたはSAICと共同で設立する計画で、現在、協議を進めている。また、同計画の実現に向け、監査役会の承認も今後、必要になる。
\『ハンデルスブラット』紙によると、VWはSAICと2030年まで提携契約を交わしている。FAWとの契約は2016年に切れるものの、VWは延長する方向という。
\ノイマン氏は今後の中国事業の展開について、中国政府は国産ブランドの販売増を支援する政策を実施しているため、同国で事業拡大を目指す国外メーカーは現地ブランドを立ち上げることになると説明。新ブランドを通して、これまでVWが進出していないセグメントへの事業拡大に意欲を示した。
\ \■ セアト、中国とロシア市場に販売進出
\ \VWのスペイン子会社であるセアトは中国とロシア市場に販売進出する。年内にも両国の市場調査を開始し、小規模で販売を開始する方針。同社のJames Muir社長が13日、スペインのEFE通信に明らかにした。両国では現地生産する計画はないとしている。
\セアトは母国スペイン以外での販売強化が課題となっている。欧州では主要市場のドイツ、フランス、イタリア、英国で市場シェアを現在の2倍に相当する2.5~3.0%に引き上げることを目指している。
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