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2011/3/25

企業情報 - 自動車メーカー

BMW、カーシェアリング事業に参入

この記事の要約

独高級車メーカーのBMWは21日、独レンタカー大手のシクストと共同でカーシェアリングサービス「ドライブ・ナウ(DriveNow)」を開始すると発表した。今年4月からミュンヘンでスタートし、年内にベルリンでも提供する計画。 […]

独高級車メーカーのBMWは21日、独レンタカー大手のシクストと共同でカーシェアリングサービス「ドライブ・ナウ(DriveNow)」を開始すると発表した。今年4月からミュンヘンでスタートし、年内にベルリンでも提供する計画。将来は欧州の大都市や欧州域外への進出も視野に入れている。同事業の開始に向け、両社は折半出資で合弁会社ドライブ・ナウを設立する。

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ドライブ・ナウではMINIクーパーとBMWの小型車「1シリーズ」を市内に配置。利用者はウェブサイトで登録した後、シクストの営業所で免許証にチップを貼ってもらって入会手続きを済ませると、同チップを自動車のキーとして配置された車両を自由に利用できる。入会金は29ユーロで、利用料金として1分当たり29セントが課金される。MINIクーパーでは1時間当たりの料金が最大14ユーロ90セントに設定されている。車を駐車した後もう一度利用したい場合、駐車中の料金は10セントとなる。

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ミュンヘンでは約300台を配置する計画で、これはドライバーが500メートル以内に車両を見つけられる規模という。利用者はスマートフォンなどネット端末から予約することもできる。ベルリンでは500台を投入する計画。今後さらにサービス地域を拡大する方針で、会員数は2020年までに世界で100万人に達すると見込んでいる。

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BMWは同サービスを新たなサブブランド「BMW i」として提供。将来は需要に応じて投入モデルを増やす方針で、2013年に発売予定の電気自動車(EV)を投入する可能性も示唆している。

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■ 若年層の自動車に対する価値観に変化

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BMWのカーシェアリング事業への参入は、若年層を中心に進行している車離れに対応した措置。独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると、調査会社のタイムスカウトがドイツの6都市に住む若年層を対象にアンケート調査を実施したところ、「都市部では自家用車は必要ない」と考える若者が全体の80%を占めた。また、同紙によると、ドイツでは新車の購入者に占める30歳以下の割合が1990年代の終りに比べ半減しているという。

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欧州自動車大手では独ダイムラーが他社に先駆けて超小型車ブランド「スマート」を使ったカーシェアリングサービス「Car2go」をドイツのウルムなどで開始。仏プジョーは都市居住者向けに、乗用車だけでなくスクーターや自転車、軽商用車やアクセサリーを網羅するシェアリングシステム「Muバイプジョー」をパリ、ロンドン、マドリッドなど欧州8都市で展開している。

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