独電機大手のシーメンスはこのほどドイツで開催された国際産業見本市(ハノーバーメッセ、4月4~8日)に独高級車大手BMWと共同で開発した電気自動車(EV)向けの非接触型充電システムを出展した。同システムは5月にプロトタイプの試験を開始し、6月からベルリンで複数の車両を使って実証試験を実施する予定。6月に開始するプロジェクトは連邦環境相(BMU)が支援する。
\同システムは、床面に組み込んだコイルと、車体の下あるいはバンパーに組み込んだコイルとの磁場を活用して充電する仕組み。床面のコイルは外部からは分からないように埋め込まれているため、摩耗やイタズラによる破損の恐れはないとしている。
\5月に試験を開始するプロトタイプのシステムは充電容量が約3.6kWにとどまるため、ケーブルを使った充電システム(出力:~22kW)に比べて充電に約6倍の時間がかかるという。今後は出力の引き上げが課題となる。
\また、将来は、床面に組み込んだコイルを公共の電力網と連携させて、EVを次世代送電網(スマートグリッド)と統合して活用することも視野に入れている。例えば、太陽光発電や風力発電などの余剰電力をEVに充電したり、EVに充電した電力を電力網に供給するといった活用が可能になる。
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