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2015/9/25

クローズアップ

Neue autoMobilität

この記事の要約

ドイツ工学アカデミー(acatech)が9月21日にフランクフルトモーターショー(IAA)で発表した自動運転や高度交通システムの発展に向けたプロジェクト。学術界、経済界、業界団体が協力し、2030年の自動化が進んだ交通シ […]

ドイツ工学アカデミー(acatech)が9月21日にフランクフルトモーターショー(IAA)で発表した自動運転や高度交通システムの発展に向けたプロジェクト。学術界、経済界、業界団体が協力し、2030年の自動化が進んだ交通システムの未来像を描くとともに、環境保護や社会形成、ドイツ経済の競争力強化に配慮した、将来に向けた取り組みの道筋を立てることを目的とする。

今回は7つの行動指針を発表した。作業グループが今後、これらの指針の詳細を議論していき、2016年末までに詳細なロードマップを作成する計画。

同プロジェクトはドイツ連邦交通・デジタルインフラ省が支援している。

自動運転や高度交通システムは、渋滞解消、大気汚染の改善、騒音の低減、生活の質の向上、交通事故の削減などに寄与する。

例えば、自動運転技術は、高齢者の運転に対する不安を緩和したり、安全性を向上させることができる。高度交通システムによる渋滞解消は、運転の快適性を高めるとともに、渋滞による経済損失の削減にも寄与する。

ドイツ工学アカデミー(acatech)の発表によると、ドイツでは2020年までに乗用車の交通量が20%増加し、トラックの交通量は34%増加すると予想されている。

今回のプロジェクトでは、自動運転技術のみにとどまらず、車車間通信、自動車交通とその他の交通システムとの連携といった交通システム全体の改善に取り組む必要性など、以下の7つの行動指針をまとめている。

◇ 自動運転、ネットワーク、インフラを総合的にとらえた取り組みが必要となる

◇ ネット接続型モビリティーの発展において段階的な開発プランを基盤とする

◇ 道路交通の自動化では試験センターでの開発・試験・評価を実施する

◇ 産学連携において人間と機械の間のやりとり(ヒューマン・マシン・インタラクション)の共通原則を設ける

◇ 道路交通データの利用ではプライバシーの保護に配慮する必要がある

◇ 現行の国内および国際的な枠組みをさらに発展させ、法的確実性を確保する

◇ 連邦政府によるイノベーションプログラムを通して、高度交通システムの発展に向けた取り組みを調整・支援する

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