米自動車大手のフォードは6日、英国にある2つのエンジン工場のうち西部ウェールズのブリジェンド工場を2020年に閉鎖すると発表した。欧州連合(EU)離脱の混迷で自動車メーカーの撤退、事業縮小が相次ぐ英自動車産業にとって新たな痛手となる。
ブリジェンド工場は約1,700人を雇用し、ドイツフォードなどにエンジンを供給している。フォードは同工場の閉鎖について、ガソリンエンジンの需要減少や英ジャガー・ランドローバー(JLR)とのエンジン供給契約が20年9月に打ち切られることで、採算が取れなくなることが理由と説明。同社は英国のEU離脱後に、EUに輸出する製品に関税がかかられることを懸念していたが、今回の決定は「離脱と関係ない」とコメントしている。
英自動車業界では、ホンダが2月に南西部スウィンドンの自動車工場での生産を2021年中に終了すると発表。日産自動車がサンダーランド工場でのスポーツ用多目的車(SUV)「エクストレイル」次期モデルの生産撤回を決めた。また、JLRが英国での従業員削減を打ち出している。