フランスのルメール農漁業相は13日、欧州委員会が求めている太平洋と地中海のクロマグロの禁漁措置には反対するものの、日本など域外国との取引制限については支持する考えを明らかにした。
\欧州委は乱獲で激減しているとされる同海域のクロマグロを保護し、資源を回復させるため、ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の対象とし、一定期間にわたり漁獲を禁止することを提案している。しかし、昨年9月のEU加盟国の会合では、スペイン、イタリア、マルタなどの地中海諸国が反対し、当初は支持していたフランスも反対に回ったため欧州委の提案は否決されていた。
\ルメール農漁業相はテレビのインタビューで、漁獲禁止はあり得ないとしながらも、「取引制限だけでEUから域外国への輸出の90%は禁止されることになり、クロマグロの資源保護で大きな進展となる」と語った。ボルロー仏環境相も12日、サルコジ仏大統領が先に示していたクロマグロの取引禁止を支持する立場に言及していた。
\フランスはクロマグロに関するEUの決定でカギを握っている。フランス政府は11日には判断を下すことにしていたが、政府内部で意見がまとまらず協議は長引いている。サルコジ大統領は近く最終的な決定を明らかにするもようだ。
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