2010/3/8

環境・通信・その他

欧州委が炭素税の導入を検討、今春にも法案提出へ

この記事の要約

欧州委員会は4日、温暖化対策の一環として、近くEUレベルでの炭素税の導入を提案する方針を明らかにした。二酸化炭素(CO2)排出量に応じて化石燃料に課税し、EU共通の最低税率を設定する方向で検討を進めているもようだ。欧州委 […]

欧州委員会は4日、温暖化対策の一環として、近くEUレベルでの炭素税の導入を提案する方針を明らかにした。二酸化炭素(CO2)排出量に応じて化石燃料に課税し、EU共通の最低税率を設定する方向で検討を進めているもようだ。欧州委は今春にも法案をまとめる意向を示しているが、英国などは炭素税の導入に強く反対しており、調整は難航が予想される。

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炭素税は炭素の含有量に応じて石炭・石油・天然ガスなどに課税するシステムで、化石燃料や化石燃料を利用した製品の価格を引き上げて需要を抑制し、CO2排出削減を目指す政策手段。EU加盟国では1990年代からスウェーデン、デンマーク、フィンランドで炭素税が導入されているほか、フランスでも今年1月から導入される予定だったが、実施方法をめぐり昨年末に違憲判決が出て保留になっている。

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欧州委のトレイナー報道官は記者団に対し、シェメタ委員(税制・関税同盟担当)は現在、EUエネルギー税指令の改正に向けて各方面との調整を進めており、そのなかで「炭素税(の導入)が優先課題」と説明。検討されている具体的な税制の仕組みなどには言及しなかったが、「数カ月以内に」法案を提出できるとの見通しを示した。

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税制改革には加盟国による全会一致の承認が必要だが、英国は欧州委の動きに強く反発している。政府報道官はBBCの取材に対し、「英国はEU加盟国に炭素税の導入を義務付ける法案を支持しない。現行のエネルギー税指令は加盟国に炭素税導入の判断を委ねており、気候変動防止の目標達成に向け、各国がそれぞれ実情に合わせて政策を選択できる余地を残すべきだ」と強調している。

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