2010/8/23

産業・貿易

IT関税めぐる通商紛争、WTOが日米に軍配

この記事の要約

EUが一部の最新型IT(情報技術)機器に関税を課しているのは情報技術協定(ITA)協定に違反するとして日本、米国などが提訴している問題で、世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は16日、日米側の主張を支持する […]

EUが一部の最新型IT(情報技術)機器に関税を課しているのは情報技術協定(ITA)協定に違反するとして日本、米国などが提訴している問題で、世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は16日、日米側の主張を支持する報告書を公表した。EUが60日以内に上訴しなければ、敗訴が確定する。

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焦点となっているIT機器は、◇ファクスとコピー、スキャナーの機能を備えたプリンター複合機◇有料テレビ視聴用のセットトップボックス◇パソコン用液晶モニターの3品目。1996年締結のITAでは、IT関連機器を一般家電と区別し、関税を撤廃することを定めているが、EUは協定発効後に登場した3品目に関しては、セットトップボックスがビデオ録画機として使われるなど多機能化が進み、課税対象の家電に分類されるとして、適用対象外として6~14%の関税を課している。これに対して日米のほか台湾は、3品目もIT機器であり、関税撤廃が適用されるとして反発し、2008年にWTOに提訴していた。

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WTOのパネルは日、米、台湾の主張を全面的に認め、EUが協定に違反していると認定。欧州委員会に対して、3品目への関税撤廃を勧告した。

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