2011/1/17

環境・通信・その他

ネットの「保護者機能」に問題点、EUが報告書で指摘

この記事の要約

EUは13日、域内では有害サイトから子供を守るため保護者が利用するアクセス制限用のソフトウエアが技術面、保護者の利用の仕方においても、大きく改善の余地が残されているとする調査報告書を公表した。\ 欧州委員会の報告書では、 […]

EUは13日、域内では有害サイトから子供を守るため保護者が利用するアクセス制限用のソフトウエアが技術面、保護者の利用の仕方においても、大きく改善の余地が残されているとする調査報告書を公表した。

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欧州委員会の報告書では、PC向け26、ゲーム機向け3、携帯電話向け2のアクセス制限用ソフトウエアが調査対象とされた。PC用の既存のソフトウエア・プログラムの84%は、アダルトサイトなど特定のウェブサイトへのアクセスを遮断することが可能な一方、いわゆるWeb 2.0のコンテンツ(ソーシャル・ネットワークやブログ、フォーラムサイトなど)へのアクセスを制限できるものはほとんどなかった。さらに、子供に有害なその他のサイト(自殺、自傷行為、拒食症を助長するようなもの)の20%が、アクセス遮断のためのフィルターをすり抜けているという。

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また、域内では未成年者の26%がニンテンドーWiiやソニーのプレイステーションなどのゲーム機、31%がスマートフォンなど携帯電話を使用してネットにアクセスしているにもかかわらず、これらによるネットアクセスを制限するソフトウエアは数種類しか販売されていない。また、こうしたソフトウエアに使われる言語は大半が英語で、その他の選択可能な言語が限定的であることも指摘された。

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一方、EUが域内25カ国、25,000人の子供とその保護者を対象に実施した調査「EUKidsOnline」によると、域内の保護者のうち、こうした制限機能(遮断、フィルター)を利用しているのは約28%だった。子供が閲覧したサイトを自ら追跡、確認しているという保護者は24%にとどまる。これらのソフトウエアの利用については加盟国間でも大きな隔たりがあり、英国で54%の保護者が利用している一方、ルーマニアでの使用率はわずか9%だった。

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