2011/6/20

産業・貿易

食品表示強化法案で合意、成分表示が義務化へ

この記事の要約

EU域内で販売される食品・飲料にカロリーや主な栄養成分の表示を義務付ける法案が成立の見通しとなった。EU加盟国と欧州議会は15日、それぞれの代表による調停委員会で法案の内容について合意。法案は加盟国と欧州議会による形式的 […]

EU域内で販売される食品・飲料にカロリーや主な栄養成分の表示を義務付ける法案が成立の見通しとなった。EU加盟国と欧州議会は15日、それぞれの代表による調停委員会で法案の内容について合意。法案は加盟国と欧州議会による形式的な承認を経て正式成立する。

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食品表示に関する新ルールは、食品や飲料を選ぶ際に目安となる重要な情報を分かりやすい形で提供し、EU市民の健康的な食生活を支援して肥満の蔓延に歯止めをかけるのが狙い。

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合意した法案は、酒類を除くすべての食品と飲料について、メーカーに対して100ミリリットルあるいは100グラム当たりのカロリー、脂肪、飽和脂肪、炭水化物、糖質、塩分、タンパク質などの含有量をパッケージに明記することを義務付けるという内容。5年以内に実施となる。また食肉では原産地表示が、すでに義務化されている牛肉に加え、豚肉、家禽肉などすべての食肉にも新ルール発効から2年以内に義務付けられる。

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欧州議会が2010年6月に可決した法案では、成分表示はすべてパッケージの表側に明記することになっていた。これに対して加盟国側は同年12月、表示は裏側でも良いとする方向に修正。さらに原産国表示では、対象に含まれていた乳製品が外された。このため、双方が調停委員会で調整を進めていた。

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10週間に及んだ調停委員会の協議で、成分表示については加盟国側の修正が受け入れられ、パッケージの裏側への表示で合意。メーカーの自主的な判断で、表側にも繰り返し表示できるようにする。

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乳製品の原産国表示に関しては双方が歩み寄り、2014年に義務対象に加えるかどうかを検討することになった。

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