2011/6/20

産業・貿易

ネット販売のクーリングオフは14日以内、欧州議会委員会が可決

この記事の要約

欧州議会の域内市場・消費者保護委員会は16日、電子商取引を含む通信販売と訪問販売における消費者保護の強化を目的とする「消費者の権利に関する指令(案)」を賛成多数で可決した。14日以内なら無条件で契約を解除し、購入した商品 […]

欧州議会の域内市場・消費者保護委員会は16日、電子商取引を含む通信販売と訪問販売における消費者保護の強化を目的とする「消費者の権利に関する指令(案)」を賛成多数で可決した。14日以内なら無条件で契約を解除し、購入した商品を返品(クーリングオフ)できるルールの導入などを柱とする内容。指令案は今月23日の欧州議会本会議で可決される見通し。

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EU加盟国はすでに法案の内容で合意しており、閣僚理事会の正式な承認を経て早ければ月内にも新指令の成立が見込まれる。加盟国は2年以内に国内法を整備することが求められる。

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EUは現行指令でネット通販を含めた遠隔取引における消費者の権利や事業者が守るべき義務を規定しているが、それぞれ最低限の要件を定めたルールが多く、クーリングオフの期間や配送中のトラブルに関する補償などは国によって異なる。欧州委は国境を越えた商取引を促進するにはこうしたルールを域内で統一し、全体として消費者保護レベルを高める必要があるとの認識に立ち、2008年10月に新たな法案を打ち出した。

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クーリングオフ期間は現在、国によって7日から15日とばらつきがあるが、新ルールでは一律に14日間のクーリングオフ期間が発生し、期間内であれば消費者はすべてのケースで購入した商品を返品することができる。また、販売業者が契約解除の権利を明記していない場合は最大1年まで返品が認められる。ただし、ダウンロード購入した音楽、映画、ソフトウエアや、一般個人からオークションで購入した商品は契約解除ルールの対象から除外される。また、返品する際の送料は消費者が負担する。

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このほか販売業者は契約に先立ち、商品に関する詳細説明、価格(税金を含む)や送料、販売業者の所在地などについて正確な情報を消費者に提供することが義務付けられる。さらに販売業者は配達の遅れや商品の紛失など、配送中のトラブルに関するすべての責任を負い、速やかに返金などの措置を取らなければならない。

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