2011/7/11

産業・貿易

保険会社ストレステスト、1割が不合格=EU監督当局

この記事の要約

欧州保険年金監督機構(EIOPA)は4日、欧州の保険会社を対象としたストレステスト(健全性審査)の結果を発表し、厳しい経済環境の下では、約10%の企業が資本不足に陥る可能性があるとした。\ テストではEUで導入が進めてい […]

欧州保険年金監督機構(EIOPA)は4日、欧州の保険会社を対象としたストレステスト(健全性審査)の結果を発表し、厳しい経済環境の下では、約10%の企業が資本不足に陥る可能性があるとした。

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テストではEUで導入が進めている新たな資本規制「ソルベンシー2」に基づき、市場環境の悪化、予想を超える自然災害、金利変動などの条件の下で自己資本基準を満たせるかが審査された。その結果、調査に回答した129社のうち、株価が15%下落するなど一段と激しい変動の場合は13社が資本基準を達成できないと判定。インフレ高進に伴う金利急上昇の想定では10社が「不合格」となった。不足する資本の総額は、最も厳しい経済条件では44億ユーロ、インフレシナリオの場合は25億ユーロ。また、ソブリン債利回りが急上昇することを想定した査定では、6社が資本不足に陥るとされた。

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EIOPAは、調査対象となった129社の余剰資本が4,250億ユーロに上っているのに対し、想定される資本不足は小幅にとどまったとして、保険業界全体の体質は強じんであると結論付けている。ベルナルディーノ会長は記者団に対し、「欧州の保険業界が全般的に衝撃を吸収し得る資本基盤を有していることが示された」と述べた。

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