2011/10/24

環境・通信・その他

ガリレオ計画が本格始動、実用衛星打ち上げ成功

この記事の要約

EUは21日、欧州独自の衛星利用測位システム「ガリレオ」の実用衛星2基を仏領ギアナのクールー宇宙基地から打ち上げた。来年以降、年4回のペースで打ち上げを進めて2013年末までに16基の衛星を軌道に乗せ、14年の運用開始を […]

EUは21日、欧州独自の衛星利用測位システム「ガリレオ」の実用衛星2基を仏領ギアナのクールー宇宙基地から打ち上げた。来年以降、年4回のペースで打ち上げを進めて2013年末までに16基の衛星を軌道に乗せ、14年の運用開始を目指す。すでに実験用衛星2基が打ち上げられており、最終的に30基体制になる予定。同プロジェクトは資金難や運営方針をめぐる加盟国の対立などから一時は頓挫の危機に直面したが、当初の計画から6年遅れでようやく本格的に動き出した。

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ガリレオは米国の全地球測位システム(GPS)に対抗してEUが開発を進める民生用の測位システム。GPSより精度が高く、数センチの誤差で測定される位置情報をカーナビ、鉄道や車両の運行管理、航空管制、資源探査、都市計画、犯罪捜査などに役立てることを目的としている。20年までに最大30基の衛星と3カ所の地上管理センターなどから成るシステムが完成する見通し。実用化の第1段階として、14年からオープンサービス(誰でも利用できる測位データの無償提供)、捜索・救助サービス、各国政府向けサービスを開始する。ガリレオの開発費は54億ユーロ、運用コストは年間8億ユーロに上るが、欧州委は20年間で900億ユーロの経済効果を見込んでいる。

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発表によると、ガリレオの最初の実用衛星2基を積んだロシアのソユーズは、仏アリアンスペースによって高度2万3,000キロの軌道に向けて打ち上げられた。ソユーズロケットがロシア以外の宇宙基地から打ち上げられたのは今回が初めて。アリアンスペースは欧州宇宙機関(ESA)からさらに14基の打ち上げを受注しており、すべてクールー宇宙基地からソユーズで打ち上げられる。

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