国際通貨基金(IMF)は24日発表した最新の「世界経済見通し」で、ユーロ圏の2012年の予想成長率をマイナス0.5%とし、前回予測(9月)のプラス1.1%から大幅に下方修正した。信用不安による国債利回りの上昇、銀行の貸し渋りや各国の緊縮策の影響を織り込んだもの。13年についても前回のプラス1.5%から同0.8%に引き下げた。
\11年の国別予想成長率は、イタリアがマイナス2.2%となり、前回のプラス0.3%から大幅に引き下げられた。スペインもプラス1.1%からマイナス1.7%に修正された。ドイツは0.3%、フランスは0.2%のプラス成長を確保するが、それぞれ前回から1ポイント、1.2ポイントの幅で下方修正された。
\IMFは報告書で、ユーロ圏は信用不安の拡大を食い止めるため、財政危機に陥ったユーロ参加国に緊急金融支援を行う「欧州金融安定基金(EFSF)」の融資枠拡大、欧州中央銀行(ECB)による国債買い支えの継続が必要だと指摘している。
\IMFはユーロ圏の信用不安が世界経済も揺るがすとして、世界全体の12年の予想成長率も4%から3.3%に下方修正した。
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