2012/2/20

総合 –EUウオッチャー

ユーロ圏の10-12月GDPは0.3%減、2年半ぶりマイナス成長

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが15日発表したユーロ圏の2011年10-12月期の域内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前期比0.3%減となり、2009年4-6月期以来2年半ぶりにマイナス成長に転落 […]

EU統計局ユーロスタットが15日発表したユーロ圏の2011年10-12月期の域内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前期比0.3%減となり、2009年4-6月期以来2年半ぶりにマイナス成長に転落した。信用不安が実体経済に悪影響を及ぼし、重債務国のほかドイツ、オランダ経済も低迷した。(表参照)

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EU27カ国ベースのGDPも前期比0.3%減。前年同期比ではユーロ圏が0.7%増、EUが0.9%増だった。

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財政危機に陥っている国では、イタリアが前期比0.7%減、ポルトガルが1.3%減、スペインが0.3%減と低迷。イタリアは2期連続のマイナス成長となり、ギリシャ、ポルトガル、ベルギーに続いて景気後退入りした。ギリシャは前期比の伸び率は不明だが、前年同期比で7%減と大きく落ち込んだ。

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ドイツは前期比0.2%減。独連邦統計局によると、外需が後退し、個人消費もわずかに落ち込んだ。さらにオランダが0.7%減と、前期の0.4%減に続いてマイナス成長となり、景気後退国に仲間入りした。

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一方、ユーロ圏第2の経済国であるフランスは、設備投資と輸出の伸びに支えられ、0.2%増とプラス成長を維持した。

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ユーロ圏の同期のマイナス成長転落は予想通り。ただ、低迷が見込まれていたフランスがプラス成長となり、ドイツの悪化が小幅にとどまったことで、下げ幅は予想を下回った。それでも、信用不安が長引いていることで今後の見通しは厳しく、2012年は通期でマイナス成長に落ちるのが避けられない見通しだ。

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