2012/6/11

競争法

検索サービスめぐるグーグルへの調査、改善策の提示期限は7月初め

この記事の要約

インターネット検索市場におけるグーグルの商慣行をめぐり、欧州委員会が調査を進めている問題で、同委のアルムニア委員(競争政策担当)は8日、7月初めをめどに反競争的行為の有無について判断を示す方針を明らかにした。すでにグーグ […]

インターネット検索市場におけるグーグルの商慣行をめぐり、欧州委員会が調査を進めている問題で、同委のアルムニア委員(競争政策担当)は8日、7月初めをめどに反競争的行為の有無について判断を示す方針を明らかにした。すでにグーグルに対して同社の商慣行はEU競争法に違反するとの暫定的な見解を伝えており、期限までに改善策が提示されない場合は是正手続きの最終段階に入る方針を示している。

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欧州委はグーグルがネット検索市場での優越的な地位を利用して、ライバルを締め出そうとしているとの中小検索エンジンの申し立てを受け、2010年11月にグーグルに対する調査に着手。昨年3月には米マイクロソフトも欧州委に正式な調査を要請している。申し立てを行った10社は欧州のネット検索市場で90%以上のシェアを持つグーグルが市場支配的地位を利用して、検索結果の表示で自社サービスを優遇する一方、競合するサービスの表示順位を意図的に下げるなどして競争を不当に妨害し、消費者に損害を与えていると主張している。

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アルムニア副委員長はスイスで開催された競争法をテーマとする国際会議で講演を行い、問題が長期化する事態を回避するため、グーグルに対して「改善策を提示する機会を提供したい」と発言。「事態の収拾に向けて7月初めまでにグーグルから具体的な提案が行われることを期待している」と述べた。そのうえで副委員長は、5月21日付でグーグルに書簡を送り、過去18カ月にわたる調査から、同社の商慣行は市場支配的地位の乱用にあたるとの見解を伝えたことを明らかにし、「早期の問題解決が消費者やライバルなどすべての利害関係者にとって利益になる」と指摘。期限までに十分な回答が得られない場合、是正手続きの最終段階にあたる異議告知書を送付する考えを示した。

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