EUは来月、中国との投資協定の交渉開始で合意する見通しだ。ロイター通信によると、欧州委員会のデフフト委員(通商担当)は17日、投資協定の交渉開始について「我々は準備ができており、中国側も準備ができているとしており、開始を待っているところだ」と述べた。
\投資協定は、中国に投資したEU企業を保護したり、規制緩和により投資を促進したりするのが目的で、将来の自由貿易協定(FTA)締結への布石として注目される。EUは来月18日にルクセンブルクで開催する貿易相会合で、中国との交渉開始について合意する方向で調整している。ここで合意が得られれば、年内もしくは来年初めに開かれるEU・中国首脳会談で正式に交渉が開始される。交渉の妥結には約2年かかる見通しだ。
\一方、欧州議会は17日、投資と市場アクセスに関する中国との交渉が、最高レベルの透明性と欧州議会の監督のもとに行われることを求める決議案を採択した。欧州議会は声明で、中国企業がEUの安定した投資環境を享受する一方で、中国のEU企業はさまざまな障壁に直面していると指摘。こうした障壁を撤廃し、中国の国営企業とEUの民間企業が公平な条件で競争できるような環境を整備するよう求めた。決議に法的拘束力はないが、投資協定の発効には欧州議会の承認が必要なため、一定の影響力がある。
\EUと中国の貿易額は2012年に4,350億ユーロで、EUは中国にとって最大の貿易相手となった。EUにとって中国は米国に次ぐ第2位の貿易パートナーとなる。
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