欧州委員会は11月27日、伊3位銀行バンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(MPS)の再建策を承認したと発表した。コスト削減、大型増資を柱とする内容。これによって同行は、伊政府による公的支援の見返りとして欧州委が突きつけていた条件を満たした。
\経営悪化で資本不足に陥ったMPSは、伊政府から今年初めに39億ユーロの公的資金注入を受けて救済された。ただ、同支援にはEU競争法に定められた公的支援ルールに基づき、同行が大規模なリストラを実施することが条件となっている。これを受けてMPSは4,600人の削減、400支店の閉鎖、10億ユーロの資本増強などを決めたが、欧州委は7月、リストラが不十分として、見直しを指示していた。
\新たにまとめた経営再建計画では、増資の規模を最低25億ユーロに拡大し、2014年末までに実施する。また保有するイタリア国債を段階的に売却し、17年末までに230億ユーロから170億ユーロまで圧縮。この増資と国債売却で調達した資金を使って、14年に30億ユーロの公的資金を返済し、17年までに完済する。
\コスト圧縮では、人員削減を3,400人追加し、計8,000人を2015年までに削減する。また、幹部の年俸を50万ユーロ以内に制限し、事務コストを17年までに4億4,000万ユーロ削減する。
\欧州委のアルムニア委員(競争政策担当)は、新再建策によって「長期的な存続が可能になる」として、同計画を承認した。
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