2014/2/10

競争法

ハチソンのO2アイルランド買収、欧州委が難色

この記事の要約

香港の有力コングロマリット(複合企業)ハチソン・ワンポアは3日、同社がスペイン通信最大手テレフォニカからアイルランドの携帯電話事業を買収する計画について、欧州委員会が難色を示していることを明らかにした。 ハチソンは昨年6 […]

香港の有力コングロマリット(複合企業)ハチソン・ワンポアは3日、同社がスペイン通信最大手テレフォニカからアイルランドの携帯電話事業を買収する計画について、欧州委員会が難色を示していることを明らかにした。

ハチソンは昨年6月、アイルランドの携帯電話サービス部門「3アイルランド」を通じてテレフォニカ傘下の「O2アイルランド」を7億8,000万ユーロで買収することで合意していた。アイルランドの携帯電話市場で2位につけるO2アイルランドとの統合が実現すると、同4位の3アイルランドのシェアは37.5%に拡大し、最大手のボーダフォンの39.4%に肉薄する。

これについて欧州委は、ハチソンとテレフォニカの取引を認めた場合、アイルランドで携帯電話通信網を運営する事業者が4社から3社に減るため市場集中度が高まるうえ、自前で回線や設備を持たない仮想移動体通信事業者(MVNO)にとっても選択肢が狭められるとして、11月に本格的な調査を開始した。ハチソンによると、欧州委はこのほど、同買収に関する競争上の問題を具体的に指摘し、是正されない場合は買収を認めない方針を示したという。

欧州委の調査期限は4月24日。ハチソンが買収認可を取り付けるためには、同期限までに一部事業の売却などの是正策を提示する必要がある。