チェコ中央銀行(CNB)は22日、主要政策金利である14日物レポ金利を1.25ポイント引き上げ、7%に設定した。利上げは9会合連続。市場は0.75ポイントの上げ幅を予想していた。インフレが高進する中、物価の安定を確保するため大幅な追加利上げに踏み切った。ロンバート金利(上限金利)と公定歩合(下限金利)もそれぞれ8%、6%に引き上げた。
同国の5月のインフレ率は前月から1.8ポイント増の16%に拡大し、11カ月連続で目標水準(1~3%)の上限を上回った。これは1993年11月(17.9%)以来の高い水準。燃料・食品価格の高騰と、通貨コルナ安を受けた輸入品価格の上昇、記録的な失業率の低さなどが大きい。CNBは今後について、年内は二桁の水準で推移するものの、来年の上半期から急速に下がり始め、下半期には目標値の2%近くまで下がるとみている。
CNBは今回の利上げについて、インフレの著しい加速が経済に対するリスクと不確実性を高めており、より厳格な金融引き締めを行う必要があると説明。今後の金融政策は情勢の推移と見通しによるとしたうえで、為替市場への介入などの方針に変更がないことを確認した。同銀のルスノク総裁は「価格安定の早急な回復は中銀の絶対的な優先事項であり、チェコ経済の長期的な繁栄のために必要だ」と述べた。
CNBでは7月に総裁が入れ替わる。次期総裁のアレ・ミヒル氏は利上げに反対の立場を取っていることから、アナリストは今回が今年最後の利上げになると予想している。ライファイゼンバンクのデイビッド・ヴァーゲンクネヒト氏は、「理事会がよりハト派にシフトしたことを考えると今回で利上げサイクルは終わるはずだ。年末まで金利は安定するだろう」との見方を示した。