欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/11/3

総合 – 欧州経済ニュース

ECBの担保付き債券購入、第1週は17億ユーロ

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は10月27日、景気刺激、デフレ回避対策として再開した担保付き債券(カバードボンド)購入について、第1週に総額17億400万ユーロを買い入れたと発表した。 ECBは9月、ユーロ圏の銀行が持つ融資債権 […]

欧州中央銀行(ECB)は10月27日、景気刺激、デフレ回避対策として再開した担保付き債券(カバードボンド)購入について、第1週に総額17億400万ユーロを買い入れたと発表した。

ECBは9月、ユーロ圏の銀行が持つ融資債権を証券化した資産担保証券(ABS)とカバードボンドの買い入れを発表した。銀行の資金繰りを支えることで貸し渋りを改善し、停滞しているユーロ圏経済を底上げするのが狙い。実施期間は最低2年で、カバードボンドの買い入れは20日に開始していた。

コンスタンシオ副総裁は先ごろ、カバードボンドのうち担保要件を満たしており、買い入れ対象となるのは約6,000億ユーロ相当に上ることを明らかにしていた。これに基づくと、第1週の買い入れ額は小規模で、同様のペースで購入を続けた場合、目標とする6,000億ユーロには遠く及ばない計算となる。

ECBはリーマンショックに伴う金融危機で資金繰りが悪化しているユーロ圏の銀行を支えるため、2009年7月にカバードボンドの買い取りを開始し、10年6月までに予定通り600億ユーロを購入した。ギリシャに端を発した信用不安に拡大を受け、11年11月に再開したが、購入額は目標の400億ユーロを大きく下回る164億ユーロにとどまった。今回は第3弾となる。

ECBは年内にABSの買い入れも開始する予定。目標額は4,000億ユーロとなっている。