EU統計局ユーロスタットが16日発表した3月の消費者物価統計によると、ユーロ圏のインフレ率(確定値)は速報値と同じ前年同月比0.5%と、前月の0.7%から0.2ポイント縮小し、2009年11月以来の低水準となった。(表参照)
分野別では、エネルギーがマイナス2.1%となった。また、食品・飲料・たばこが0.5ポイント、工業製品が0.2ポイント、サービスが0.2ポイントの幅で前月から縮小。価格変動が激しいエネルギー、食品、アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は速報値の0.8%から0.7%に下方修正され、前月を0.3ポイント下回った。
EU28カ国ベースのインフレ率は0.6%。ユーロ圏ではスペイン、ギリシャ、ポルトガル、スロバキア、キプロスの5カ国でマイナスとなった。とくにギリシャはマイナス1.5%と、下げ幅は前月の0.9%から急拡大した。
ユーロ圏のインフレ率は、欧州中央銀行(ECB)が上限目標値とする2%を大きく割り込み、6カ月連続で1%を下回った。デフレ突入を警戒するECBのドラギ総裁は、今月初めの定例政策理事会後の記者会見で、追加金融緩和に踏み切る用意があることを言明。19日には国際通貨基金(IMF)の総会でも同方針を確認した。