欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2022/9/12

EU情報

ECBが0.75ポイント利上げ、過去最高の上げ幅に

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は8日に開いた定例政策理事会で、政策金利を0.75ポイント引き上げることを決めた。1999年にユーロが導入されてから最高の利上げ幅となる。景気よりインフレ抑制を優先し、大幅利上げに踏み切った。主要政 […]

欧州中央銀行(ECB)は8日に開いた定例政策理事会で、政策金利を0.75ポイント引き上げることを決めた。1999年にユーロが導入されてから最高の利上げ幅となる。景気よりインフレ抑制を優先し、大幅利上げに踏み切った。

主要政策金利は0.5%から1.25%、中銀預金金利はゼロ%から0.75%引き上げる。14日から新金利が適用される。

ユーロ圏ではロシアのウクライナ侵攻などの影響で景気悪化の懸念が高まっている。しかし、物価上昇に歯止めがかからず、ECBは7月に11年ぶりの利上げを実施し、政策金利を0.5ポイント引き上げた。それでも効果がなく、8月のインフレ率が前年同月比9.1%と過去最高を更新したことから、ECBの理事会は全会一致で前回を上回る利上げを決めた。金利は2011年以来の高さとなる。

ラガルド総裁は理事会後の記者会見で、「インフレ率のさらなる上昇を見込んでいる」と発言。ECBが目標水準とする2.0%を超える状況が長期化するのは避けられないとして、今後も少なくとも2会合で追加利上げを決めるとの見通しを示した。

一方、ECBは同日に発表した最新の内部経済予測で、ユーロ圏の22年の成長率を3.1%とし、前回(6月)の2.8%から上方修正したが、23年には0.9%まで縮小するとの見通しを示した。インフレ率については22年が8.1%、23年が5.5%で、それぞれ前回の6.8%、3.5%から大きく引き上げた。