ブルガリアEVメーカーのシン・カーズ、ルーマニア工場を計画

ブルガリアの電動車(EV)メーカー、シン・カーズ・インダストリーは9日、ルーマニアに生産工場を設置する計画を明らかにした。全社的な生産能力の強化に向けたもので、完成後は多目的プラットフォーム「Lシティ」を用いた車両を生産する。着工時期や投資額などの詳細は明らかにされていない。

立地はシン・カーズが拠点を置くブルガリア北部のルセからドナウ川を挟んだ対岸に位置するジュルジュで、70ヘクタールの敷地に4段階で建設する予定。同社によると、工場建設はルセからの生産移管ではなく、今後10年間で段階的に事業を拡大する計画の一環となる。ルセでの生産は継続し、拠点の拡張も視野に入れる。

同社のローゼン・ダスカロフ代表取締役は、「当初想定していたルセとその近郊での新工場の建設計画が進まなかったところ、ルーマニアから49年間の長期使用が可能な土地提供の提案があった」と述べた。

2023年からはルセ工場に生産ラインを1つ増設し、1日当たり1台の「Lシティ」を生産できるようにする。新工場の整備を通じ、年産能力を全体で2万台に引き上げる方針だ。

シン・カーズは8月、年内に合計10台の「Lシティ」モデルをドイツ、オランダ、ギリシャの各市場に納入する契約を結んだと発表した。最終的に14台の車両を生産する計画で、売上高は75万ユーロを見込んでいる。

同社は2012年にルセを拠点に創業した。まず、電動のレーシングカーやスーパーカーを開発。18年に「Lシティ」のプロトタイプを発表し、現在はEVバス・トラックの開発に取り組んでいる。

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