ハンガリー中央銀行は9月27日、政策金利を1.25ポイント引き上げ、13%にすると発表した。利上げは17会合連続。市場は1ポイントの上げ幅を予想していた。物価の上昇に歯止めをかけるため、大幅な追加利上げに踏み切った。中銀は今回で利上げサイクルの終了を決定している。
政策金利の下限となる翌日物貸出金利は11.25%から12.5%に、上限となる翌日物、7日物有担保付貸出金利は14.25%から15.5%に、それぞれ1.25ポイント引き上げた。
同国の8月のインフレ率は前月から1.9ポイント増の15.6%となり、17カ月連続で中銀の上限目標値(4.0%)を上回った。食品価格とエネルギー価格の高騰に加え、欧州における歴史的な干ばつが物価を強く押し上げている。一方で中銀は今後について、秋までは上昇するが、世界的な景気後退への懸念の高まりと、それに伴う商品価格の下落、国内の景気減速を受けた消費者需要の減退により、2023年の前半から緩やかに下がり始めるとみる。そのうえで、今年のインフレ率予測を13.5~14.5%、来年は11.5~14%の範囲と予測している。
中銀は10月1日から、新型コロナ流行を受けて高めた流動性の余剰分を引き締めるため、預金準備率の引き上げ、割引手形オークションの定期的な開催、長期の預金手段の導入という3つの施策を開始する。同銀は声明で、現在の高金利水準をもって利上げサイクルを停めると明言。厳格な金融政策を長期間続けることでインフレ目標は持続可能な形で達成されるとした。今後は流動性の引き締めと金融政策効果の波及経路の改善に焦点を合わせて追加措置を決めるとしている。