スマホなどの充電器を「USB-C」に統一、欧州議会が承認

欧州議会は4日の本会議で、EU域内で販売されるスマートフォンなど携帯型電子機器の充電器の端子を「USB-C」と呼ばれるタイプに統一する法案を賛成多数で可決した。新ルールは一部の製品を除き、2024年末までに施行される見通しだ。

EUは廃棄物削減、消費者の利便性の観点から、電子機器充電器の端子の共通化が必要として、2009年からメーカーに業界内で自主的に規格を統一するよう働きかけてきた。その結果、携帯電話用充電ケーブルの端子の規格は30種類から「USB-B」「USB-C」「ライトニング」の3種類まで絞り込まれた。それでも、完全統一に至っていないことから、欧州委員会が規制化に踏み切ることを決め、「USB-C」に統一することを義務付ける法案を21年9月に発表。欧州議会と加盟国は6月、USB-C」に統一することで合意していた。加盟国の最終承認を経て、24年秋にも施行される見込みだ。

対象となるのはスマホやタブレット端末、デジタルカメラ、ヘッドホン、ポータブルスピーカー、携帯型ゲーム機、ノートパソコンなど。ノートパソコンについては、施行から当面は猶予期間とし、他の品目より16カ月遅れの26年に義務化される。

「USB-C」の端子は、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマホなどに対応するもの。米アップルはタブレット端末「アイパッド」など一部の最新機種で同端子を採用しているが、主力のスマホ「アイフォーン」では独自規格の「ライトニング」を使っており、対応を迫られる。

法案には消費者に対象電子機器を購入する際、充電器を付属品として買わない選択肢を与えることも盛り込まれた。将来的には機器と充電器の抱き合わせ販売を禁止することも視野に入れている。

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