ルーマニア中央銀行は5日、政策金利を5.5%から0.75ポイント引き上げ、6.25%に設定した。利上げは9会合連続となる。今回の決定は、インフレ率が依然として高水準にあることや経済成長の減速などの経済要因に加え、金融環境の不確実性が引き続き非常に高いということを考慮して行った。
貸出金利と預金金利も同様に0.75ポイント引き上げられ、それぞれ7.25%、5.25%になった。金融市場の流動性を確保し、金融機関に義務付けられているレウ建て及び外貨建て中銀最低準備率の現状水準を維持するのが目的だ。
8月のインフレ率は15.32%で、6月の15.05%、7月の14.96%に続き高水準だった。引き続き食品物価が大幅上昇しているが、石油価格下落や自動車燃料補助金のおかげで燃料価格が全般的に低下し、エネルギー価格のベース効果も加わって、上昇率にややブレーキがかかった格好だ。
今年4~6月期の経済成長率は、1~3月期の5.1%から2.1%に大きく減速した。前年同期比では1~3月期の6.4%から5.3%にやや減速した。同期の経済成長のけん引力は在庫と個人消費でそれぞれ7.3ポイント、4.7ポイント貢献した。
イサレスク中銀総裁は7月、インフレ減速の兆しが見えたら利上げペースを落とすとの考えを示し、10月と11月の両政策会議でそれぞれ0.5ポイント、0.25ポイントと利上げ幅を小さくする可能性を示唆していた。