東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)は11日、ポーランドのバッテリー製造大手インパクト・クリーンパワーテクノロジー(ICPT)、および伊藤忠プランテックと協力し、バスなどの大型商用車向けの水素燃料電池システムを開発すると発表した。同システムは東芝ESSの固体高分子形水素燃料電池スタックを搭載したバス車両での運用を想定している。ICPTは同スタックをもとにバス向け水素燃料電池システムの動作テストと検証を行う。
ICPTは電動バス、列車などの公共交通と産業向けの高性能バッテリーシステムのほか、再生可能エネルギー市場向け定置用蓄電システムや船舶、産業ロボット分野にもバッテリーを供給している。安定性と耐久性に優れた東芝ESSの水素燃料電池スタックに自社の設計・製造能力を組み合わせ、従来の約2倍の寿命を持つモビリティ向け水素燃料電池システムの早期製品化を目指す。将来的にはトラックや鉄道、船舶への用途拡大も視野に入れる。
伊藤忠プランテックは同開発事業の調整などを担当するほか、市場ニーズに合ったシステムや製品の在り方を発掘していく。